地下ダムは、地中に不透水性の壁を造成して地下水の流れをせき止め、地下水を地下に大量に貯留する施設であり、 地下水をより有効な水資源として開発するために考案された。この地下ダムは、 福岡県宇美町、長崎県対馬市・新上五島町、鹿児島県喜界島、福井県若狭町、沖縄県宮古島・沖縄本島・久米島・伊江島等で既に完成し、 地元の生活用水・農業用水として利用されている。この地下ダムは、地震・津波等のような今問題になっている災害に強く、また、河川が無いか、 地表水の少ない地域においても貴重な水資源としての役割を果たしている。この地下ダムには次のような特徴と効果がある。
これまで世界で完成した地下ダムは、表-1に示した通りであり、この表を見ても分かるように、この地下ダムの技術が日本において発展し、 実績を積まれてきたことが分かる。特に、2011年3月11日の東日本大震災において、東北・関東東部の海岸地帯は、 地震・津波によって大きな被害を受けその地域のライフラインの復旧に大変な困難があった。 被害地域の住民の生活用水においてもその復旧が大変であったことが知られている。 しかし、この大震災地域の三陸海岸、福島県下の海岸地域は、この地下ダムの建設適地として知られており、 地震に強く、津波にも安全な「地下ダム」があれば、今回のような生活用水の問題は発生しなかったと思われる。
【表-1】