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総合建設コンサルタント

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地下ダムについて地下ダムについて

目次

地下ダムとは

 

 地下ダムは、地中に不透水性の壁を造成して地下水の流れをせき止め、地下水を地下に大量に貯留する施設であり、 地下水をより有効な水資源として開発するために考案された。この地下ダムは、 福岡県宇美町、長崎県対馬市・新上五島町、鹿児島県喜界島、福井県若狭町、沖縄県宮古島・沖縄本島・久米島・伊江島等で既に完成し、 地元の生活用水・農業用水として利用されている。この地下ダムは、地震・津波等のような今問題になっている災害に強く、また、河川が無いか、 地表水の少ない地域においても貴重な水資源としての役割を果たしている。この地下ダムには次のような特徴と効果がある。

  1. 大地中の地下水を止水壁によってダムアップして地下に大量の地下水を貯留することができる。
  2. 地下ダムは地下に構造物(ダム提体)を建設するので、地震に対し強く、特別な耐震対策は必要でない。また、地下ダムの水も地下水として貯留されるので津波の被害を受けず、そのまま利用できる。
  3. 原子力発電所の立地地点においては、地下ダムの貯留水によって地震・津波の際の原子炉の冷却用水不足を解消できるので、原子炉事故によるメルトダウン発生のような重大な放射能被害を防止できる。
  4. 海岸付近では、この止水壁によって海水の内陸側への侵入を防ぎ、地下水の塩水化を防止できる。
  5. 地下ダム湛水域における土地の水没が無い。地表部分は、これまで道理の土地利用が可能である。
  6. 地下ダム及びその周辺地域の自然環境の破壊が無い。流域の自然環境はそのまま保全できる。
  7. 地下ダム貯留域の地下水文地質構造の規模によって大小多様な計画が可能であり、単位行政区域ないでの計画が容易にできる。
  8. 水資源開発のコスト及び水価は、地表ダムより安価な場合が多い。
  9. 地下ダムの計画から完成までの期間が一般に短く、短期間で完成できる。

世界における地下ダム開発状況

 

 これまで世界で完成した地下ダムは、表-1に示した通りであり、この表を見ても分かるように、この地下ダムの技術が日本において発展し、 実績を積まれてきたことが分かる。特に、2011年3月11日の東日本大震災において、東北・関東東部の海岸地帯は、 地震・津波によって大きな被害を受けその地域のライフラインの復旧に大変な困難があった。 被害地域の住民の生活用水においてもその復旧が大変であったことが知られている。 しかし、この大震災地域の三陸海岸、福島県下の海岸地域は、この地下ダムの建設適地として知られており、 地震に強く、津波にも安全な「地下ダム」があれば、今回のような生活用水の問題は発生しなかったと思われる。

表-1
state-of-UD-1.png state-of-UD-2.png

地下ダム概要図

  • 地下ダムの模式断面図 001.png
  • 地下ダムと地表ダム 002.png
  • 地下ダムの立体模式図 003.png
  • 地下ダムの建設工法 004.png
  • 地下ダムタイプの分類 005.png